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研究のまとめ
1、アンケート調査の推移から
グラフ
○児童のアンケート調査の結果から、「進んで発表することができている」、「発表の仕方やルールに気を付けている」児童の割合が高くなったのは、学習の中に対話活動を取り入れたことで、伝え合う活動への意識が高まったからだと考える。
○「最後まで自分の意見を言えていますか」の項目から、自分の考えを表現することへの抵抗感が薄らいできていることがうかがえる。自分の考えをもち、その考えを対話して確かめたい、友達に伝えたいという思いをもたせる手立てを工夫した効果であると考える。
○「自分の意見と比べながら聞いていますか」の項目では、児童の意識に大きな伸びが見られた。児童は聞き手としての立場でも、自分なりの思いや考えをもち、友達の話を聞く視点を明確にして、伝え合う活動に取り組むことができるようになったと考える。
●話すことや発表することへの苦手意識が克服できていない児童も少なくない。その児童については、個別的な指導により改善を図りたい。
 
2、研究授業の実践から
(1)伝えようとする意欲(仮説T)について
○吹き出しを用いたり、書き込みをする活動を取り入れたりして、挿絵や言葉、文を手がかりに読み取りを行ったことで、課題に対して自分の考えを具体的にもつことができ、対話して友達に知らせたいという意欲が高まってきている。
○児童の関心に基づいた課題で学習に取り組み、大切な言葉や文に着目した読み取りを行うことで、伝え合うことへの意欲が高まり、対話活動でも大切な言葉をもとに話したり聞いたりする態度が見られるようになった。
●児童が見通しをもって意欲的に学習に取り組み、いきいきとした伝え合いにつながるように、教材提示の仕方や課題作りの方法、グループ学習などの学習形態を工夫したい。
●学習課題に対しての自分の考えをうまくもてなかったり、整理できなかったりする児童へは、実態に沿って具体的なステップで支援ができるようにしたい。
(2)伝え合う力(仮説U)について
○国語科の年間計画の見直しや「話すこと・聞くこと」の領域における単元の指導事項を明確にしたことで、伝え合う力をはぐくむための系統的な学習を心がけることができるようになってきた。
○話し方や聞き方の基本型である対話モデルを作って活用したことにより、児童は対話での話し方や聞き方を身に付け、自分の考えを分かりやすく話したり、自分の考えと友だちの考えを比べながら聞くことができるようになってきている。
○対話で自分の考えが生かされ、自分の考えに対する友達からの回答が得られる実践的対話活動に取り組んだことで、相手意識や目的意識が明確になり、確かな言語意識のもとにいきいきと伝え合う活動ができるようになってきている。
●様々な相手や目的の場合でも、主体的に対話を進められる力をはぐくむために、対話のテーマや場面設定を工夫したい。
●授業で育てたい子どもの姿を明確にし、「話すこと・聞くこと」の力をどの場面でどんな方法で評価するのかなどの研究を深め、指導と評価の一体化をよりいっそう図りたい。
 
3、豊かな心の育成について
○友達と対話をすることにより、お互いの考えを分かり合おうとする態度や、よさを認め合おうとする態度がみられるようになってきている。
○対話活動を学習過程に位置づけて伝え合う力の育成を図ったことにより、他の教科・領域、その他の教育活動においても、お互いの考えを理解し合い、大切にした学習が展開されるようになってきている。
グラフ
【平成19年7月の実態調査より】
○「家に帰って、学校であったことなどを家の人によく話す」のアンケート項目で、70%を超える児童が日常的に対話に親しんでいると回答している。また、保護者アンケートでも80%強の保護者が、子どもたちは以前より自分の思いや考えをよく話していると回答している。家庭との連携をさらに密にしていく中で、対話のある家庭を目指すとともに、家族のふれ合いや絆を確かなものにし、豊かな心の育成に努めていきたい。
 
 
 
 


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