校舎
HOME  > 研究紀要 > はじめに > 研究の概要1 > 研究の概要2 > 研究の実際1 > 研究の実際2 > 研究の実際3 > 研究の実際4 > 研究の実際5 > 研究のまとめ > おわりに  

研究の実際
2、中学年部の実践
(1)中学年部のテーマ
 
(2)中学年部の具体的実践事項
 
(3)具体的実践事項について
1、大切な言葉や文への書き込みによる読み取り  
言葉や文に向き合い、それに対して自分なりの考えや思いをもつことは、児童が物語の中に入り込み、それぞれの読みをつくることである。心内対話では、サイドラインを引くことによって言葉や文に着目し、視点となる「書き込みの窓口」などを手がかりに、自分の考えや思いを書き込むという取組を行っている。書き込んだことを全体対話で交流しながら場面の様子や登場人物の心情に迫っていった。
写真
【書き込みの様子】
2、対話を生かした学習過程の工夫  
個々の読みを交流し合い、自分の読みを広げ、深めていく学習過程の中に、対話活動を効果的に生かしていくことが大切だと考えた。心内対話による自分の読みをペア対話やグループ対話で交流し合い、全体対話で広げ・深めていく学習過程を基本とした。また学習内容に応じて、対話の形態や場面設定の仕方を工夫していった。
写真
【ペア対話の様子】
3、読みを交流し、広げ・深め合うための対話活動  
心内対話による一人一人の読みは、まだその子なりの読みにとどまっている。そこで課題について互いの考えを深めたい場面では、ペア対話を取り入れた。ペア対話により、それまで不確かであった考えや思いが言葉としてはっきりしたり、相手の考えや思いを聞いてさらに納得し、根拠が付加され、自分の考えが高まったりする。対話活動を通して、自分の考えがより確かなものになるとともに、伝えたいという意欲の高まりがみられ、その後の全体対話へとつながっていった。
 
(4)大切な言葉や文への書き込みによる読み取りの実践(第3学年)
1、単元名 本と友だちになろう。
教材名 「三年とうげ」(光村図書)
2、単元の目標
お話の展開や表現を楽しみ、友だちと感想を交流して、それぞれの感じ方の違いに気づくことができる。
3、授業のポイント
本単元の学習では、文章を読み取る心内対話の段階で、心に残った言葉や文にサイドラインを引き、自分の考えや感想を書き込む(書き込みによる心内対話)という方法をとった。その後、書き込みをもとに全体対話をし、読みを深めていった。
4、授業の実際(17時間取り扱い 4/17)
5、授業を振り返って
心内対話の手立てとしてサイドラインと書き込みの方法を取り入れたことで、児童一人一人が言葉や文にていねいに向き合い、自分なりの思いや考えをもつことができた。また、自分の読みを友だちに伝えたいという意欲も高まり、全体対話につながった。
 
(5)読みを交流し、広げ・深め合うための対話活動の実践(第4学年)
1、単元名 本と友達になろう
教材名 「白いぼうし」(光村図書)
2、単元の目標
情景描写や人物描写に気をつける読み方を知り、作品をより楽しんで感想を深めることができる。
3、授業のポイント
ペア対話の場を2回設定した。まず、書き込んだことをペア対話@で確かめて読みの交流を図り、次の全体対話へつなげた。次に、中心課題についてペア対話A、で意見を出し合い、これを全体対話で広げ松井さんの人柄を更に読み深めさせたいと考えた。
4、授業の実際(16時間取り扱い 4/16)
5、授業を振り返って
ペア対話@、において互いの読みを交流することで、自分の考えに自信を持って全体の場で発言していく姿が見られた。ペア対話A、では、安心して互いの考えを出し合うことができ、活発な全体対話へとつながった。さらに、友達の意見と自分の考えを比べながら、読みを深めていこうとする態度を育てるための学習法を工夫する必要がある。


HOME