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研究の実際
6、言語環境部部の取組
言語環境部では、言語環境を整備し、表現力を育成するための手だてとして、以下の取組を行っている。学年の実態に応じて、表現力を育成するための基礎的・基本的事項の確実な定着を図っていくことが必要であると考える。
言語環境部部の取組
 
(1) 言語意識の定着
児童が常に五つの言語意識をおさえながら、学習を進めていくことができるように、児童もそのポイントが明確になるように、教室に掲示し、活用できるようにしている。教師の明確にしていきたいことが児童自身の確認にもつながっている。
また、この言語意識は学年の実態や学習内容に応じて意識化を図ることにより、子どもたちの言語活動によい作用をもたらすことになると考える。
言語意識5つのポイント
 
(2) 「話し方・聞き方名人」への取組
各教室に、「話し方・聞き方名人」の掲示を行って、日常的な言語活動への取組を行っている。国語の時間はもとより、他教科等においても話すときの視点や話を聞くときの視点を学年に応じて示し、それに基づいて言語活動を行うようにしている。
 
(3) 漢字大会への取組
文字言語の一つである漢字の指導法について、モデル授業をもとに研修を行った。書き取り練習の他に、空書き、指書きの形態など様々な指導のアイデアを出し合うことで、各学級での漢字指導に生かすことができた。
言語能力の育成の一環として、月に一回の漢字大会を実施している。言語環境部で賞状を配付し、子どもたちのがんばりを賞賛する機会もつくるようにした。今後も、漢字の定着に向けた効果的な手立てを工夫していきたい。児童の意欲を引き出すため学期に1回はその努力を認めるということで、賞状を渡している。児童も賞状は楽しみにしておりその効果は現れている。
漢字大会への取組
 
(4) 「話す・聞くスキル」の活用
学校全体で、「話す・聞くスキル」というテキストを活用している。話す・聞くための基本を押さえた内容で、児童の実態にあったものである。朝自習、パワーアップタイム、授業の始まりなどに活用している。児童も楽しく学習する姿が見られる。
伝え合う力を高めるために、「話すこと・聞くこと」の基礎・基本の定着に重点を置き、取り組みを考えてきた。単元の学習のねらいとその方法を明確にし、具体的に児童に示していくことが言語能力を伸ばすことに繋がることを期待したい。
「話す・聞くスキル」の活用
 
(5) 読書活動の推進
表現力の育成を図る場合、その基礎となる言語能力の定着は重要な課題である。学力の向上にもつながる読書の重要性が言われて久しいが、読書はやはり言語能力を高めるための有効な方策の一つである。そこで、読書力の向上をめざした読書活動の一層の取組を工夫していった。
まず、読書の習慣化を図るため、本校では週の2日間、朝自習の時間に全校一斉の「読書タイム」を設定している。子どもたちは、事前に本を準備し、時間がくると教室の席につき、読書を行う。
読書活動の推進 また、その時間に担任による本の読み聞かせも合わせて行った。朝の短い時間ではあるが、確実に本に触れ合う機会が増え、本に対する関心もより高まってきた。
  さらに、近くにある市立図書館から本を借り、各学級に学級文庫をつくった。教室の身近なところに数多くの本を用意することで、子どもたちの図書環境の充実が図られ、ちょっとした時間にも本を手にして読書に親しむ子どもたちの姿が見られてきた。
  また、各学年の段階に応じて、教師が、子どもたちに読んでほしい本20冊を指定図書として選んだ。子どもたちにはカードを配付し、読んだ本にはシールを貼っていった。10冊読むと図書室前の掲示板に紹介するなど、子どもたちの読書のがんばりを賞賛する場もつくった。読書の幅が広がり、読書内容の質の向上にもつながっている。   
 
7、環境整備部の取組
授業以外にも学校生活の中で、視覚的、聴覚的に言語に触れる場を設けることで、言葉への興味関心が高まっていくのではないかと考え、次のような取組を行なっている。覚える・考えるということをねらいとするのではなく、豊かにことばを見せよう、聴かせようという視点で、くらしの中に「ことば」が楽しく入っていくように心がけている。本校の研究テーマおよび仮説を環境面から支えるために、以下の実践を行っている。
環境整備部の取組
 
(1) 研究記録の充実
 
○ 研究授業及び授業研究会の内容や様子についての記録を充実させることにより、本研究を深めていくにあたっての資料としていった。また、授業記録とは別に、実態の違う3名の児童を抽出し児童個人の授業記録もとっていった。その記録は児童一人ひとりの変容を見るのに役立てていった。また、ビデオや写真などによる記録もあわせて行っていった。
○ 本校の概要をホームページ上で紹介している。その中で研究の内容についてもふれ、授業の様子や指導案、校内研究会等の資料を掲載し、広報活動を行っている。今後は、本研究の内容がよく分かるようなものに随時更新していく予定である。
内牧小学校ホームページ
 
(2) 校内掲示の工夫
○ 各教室に発表のしかたについての掲示を し、発表の時の基本的な話し方について校 内で共通理解を図り、実践を行っている。 また、各学年やクラスにおいて、それぞれ 実態にあった発表の仕方についても取組を 行っている。
校内掲示の工夫
○ 階段の踊り場の掲示板に「今月の詩」というコーナーを設け、詩を紹介している。リズムの感じられる詩や共感しやすいような詩、表現が美しい詩、おもしろい詩など、音読や暗唱の楽しみを感じたり、表現することの楽しさを感じられるような詩を選んでいる。また、季節が感じられるもの、子どもたちの感性に響くもの等を選ぶようにしている。子どもたちが階段を通るたびに、掲示されている詩を自然と口ずさみ、詩の世界をイメージし、豊かな感性を磨く一つの手立てとなることをねらいとしている。新しい詩が貼り出されると立ち止まって読んでいる児童や、階段を上り下りしながら、声に出して読んでいる児童もいる。
 
(3) 校内放送の充実
給食時間の校内放送を利用して、国語の教科書の朗読CDや今月の詩CDを流している。給食を食べながら、楽しい雰囲気で楽に聴くことができ、低学年の児童も放送を楽しみにしている。たくさんのお話に触れることができ、子どもたちにはとても好評である。上手な朗読のしかたの学習の場にもなっている。落語、昔話など、いろいろな分野のお話を取り入れることで、ことばの楽しさを感じたり、聴く力の向上も図っていけるのではないかと考えている。校内放送で朗読CD等を聞くことによって、さらに詩の世界をイメージすることもできるだろうし、豊かな表現(話す)の仕方を学ぶ環境作りのひとつにもなっていると考えられる。目で見た視覚的なものと耳からの聴覚的なものとがマッチして、より一層言語環境を整えることができることをねらいとしている。
 
(4) パソコンの整備
特に「話す」ことについては、語彙力が必要になると考える。話しの話題(ネタ)が豊富になれば、話し手は「話す」ことや「伝える」ことへの意欲が増し、聞き手もどんな話だろうと興味を持ち、意識して聞くことにつながると考えた。そこで、インターネット情報や小学生新聞の記事などをパソコンに保存し、子どもたちへ情報提供をするようにしている。この情報が子どもたちのニーズに合い、興味・関心が持てるような内容にできるにはどうするか試行錯誤している段階である。


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