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研究の実際
2、低学年部の実践
(1) 研究テーマ
自分の思いをいきいきと伝え合う子どもの育成
 
(2) 具体的実践事項
・ 教材・教具や学習シートの工夫による基礎的・基本的事項の確実な定着。
・ 相手意識を明確にした言語活動への取組。
・ 体験活動との関連化を図った学習過程の工夫。
・ 朝の会や帰りの会等、表現活動の場の設定と充実。
 
(3) 第1学年の実践
@ 単元名 「すきな あそび おしえて」(すきな もの おしえて)(光村図書)
A 単元の目標
・ 友達と尋ね合い、答え合って、口頭での正確なやりとりを楽しむ。
・ 尋ねたことをもとに書き、みんなに文章で知らせることを楽しむ。
B 単元について
本単元は、「すきなあそび」を話題にして友達と話したり、書いたものを読み合ったりする学習である。小学校に入学してからの児童は、新しい経験をするたびに、それを話したり聞いたりすることに喜びをおぼえ、意欲的に言語活動に取り組もうとするものである。このような時期をとらえて「事柄の順序を考えながら話す」ことや「大事な事を落とさないように聞く」ことの能力を育成し、「話し合おうとする」態度を育てることが大切である。また、児童にとって話したり聞いたりする日常生活の中での言語活動は、具体的な相手が必要である。本単元はその具体的な相手を友達に設定し、「相手に応じ」て話したり聞いたりする言語活動を行うものである。
C 授業の主張点
話す・聞く・話し合うという学習活動は、一人ではできない。しかも、人間関係がうまくいってはじめて成立するものである。まず、教師が児童の話を日頃からよく聞いて受け止め、温かい言葉かけをすることによって、よりよい人間関係を築きながら学習のよき手本となるよう心がけなければならない。
本単元では、児童の共通体験として、クラス全員でゲーム(遊び)等の活動を行い、みんなでその時の体験をお互いに話したいという意欲を喚起させた。また、その様子を写真に撮り、授業時の振り返りに役立てることで共通体験の重要性を探りたいと考えた。
教具の工夫として、会話の練習には折り紙製の指人形を使い、楽しく練習できる雰囲気を作ると同時に、人形に話させることにより羞恥心を和らげ自信をつけさせることをねらった。相手にわかるように話すための練習を指人形を使い、まず教師によるデモンストレーション→教師と児童のモデル練習→児童の一人練習と進め、十分に練習できたところで友達との練習へとステップアップさせた。反復練習によって基礎・基本の定着を図り、話形ができたところで、その後の会話がどう発展していくのかシートを用い考えさせてみることにした。
D 授業の実際(1/5時間)
授業実際4
E 仮説の検証
仮説を検証するために参観した教師による評定尺度法(評定4が最高)を用いた。
仮説の検証
(意見)・「鉄は熱いうちに打て」短期間に集中させることは大切である。
・身近な題材であり、体験したものを新鮮なうちに活用するタイミング、有効だった。 
・導入時の興味関心は高かった。
 
3、中学年部の実践
(1) 中学年部のテーマ
伝えたいことを進んで話したり聞いたりすることのできる子どもの育成
 
(2) 具体的実践事項
 ・ 基礎的・基本的事項の定着を図るための学習シートの工夫。
 ・ 相手意識、目的意識を明確にした表現活動への取組と充実。
 ・ 学習過程への体験活動の導入。
 ・ 日常生活における様々な表現活動の場の設定と工夫。
(3) 第4学年の実践
@ 単元名 大事なことを落とさずに話したり聞いたりしよう 「伝言はまちがえずに」(光村図書)
A 単元の目標
・ 口頭で用件を伝達するときに大事なことが分かり、メモの取り方を工夫して適切に話したり聞いたりすることができる。
B 単元について
この時期の子どもたちは、口頭で伝達される情報を注意深く聞き取ることが難しいという実態にある。そこで、児童が聞き手として育つことが、よりよい話し手を育てることにつながると考える。そこで本単元では、大事なことを落とさずに聞き取る力を中核に、その裏返しとしての話す力を育てることをねらった。
ここでの学習は、電話という媒体を通して、伝言を正しく伝えるという汎用性のある「話す力」「聞く力」を育てるものである。方法としては、メモを取ることを中心として、事柄の要点や中心など、大事なことを正確に聞き取る力の育成を目指した。また、話の要点が伝わるように工夫して話すこと、相手に応じた言葉の選び方や適切な声の大きさで話すことなども大切な学習事項としてある。
C 授業の主張点
話の組み立ての工夫や適切な言葉遣い、相手の意図に沿って聞くといった基礎的事項を、電話でのやり取りや伝言ゲーム(伝言をする練習)といった活動を学習過程の中で工夫して行うことにより、確実に身に付けさせていくことを検証するものである。
また、学習活動全般にわたって五つの言語意識の明確化を図る中で、特に相手意識、方法意識を中心に学習を進めるようにした。
本単元では、T・Tや少人数指導の学習形態を必要に応じて取り入れた。第1次はT・Tでのロールプレイ等取り入れることにより、学習意欲を高めることをねらった。第2次は少人数指導の形態を取り、個に応じたきめ細やかな指導を心掛けた。
D 授業の実際(2/4時間)
授業の実際5
E 仮説の検証
電話での話し方・聞き方のポイントを提示したことにより、学習内容を焦点化することができたように思う。学習シートの活用により、話の組み立てを工夫したり、適切な言葉で話したり、相手の意図に沿って聞いたりすることの定着につながったと思われる。
また、携帯電話(紙)や電話のマニュアル、メモ用紙などの教材・教具の工夫が、相手意識や方法意識を高めることにもつながり、高い言語意識のもと効果的な学習が展開されたように思われる。
児童の実態や学習内容に応じたT・Tや少人数指導による支援体制をとることによって、より細かな評価・支援を行うことができ、学習のねらいの達成につながったと考える。


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