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研究の実際
4、高学年部の実践
(1) 高学年部のテーマ
自分の考えや思いを主体的に伝え合うことのできる子どもの育成
 
(2) 具体的実践事項
・ 授業における指導事項の明確化と学習シートの工夫による基礎的事項の徹底。
・ 学習シートや掲示物等による言語意識の高揚化。
・ 体験活動との関連化を図った学習過程の工夫。
・ 学校行事等での発表への取組の充実。
 
(3) 第5学年の実践
@ 単元名 話の組み立てや言葉づかいを考えてたずねよう  「インタビュー名人になろう」(光村図書)
A 単元の目標
・ 目的や内容に沿って尋ねることを整理し、相手に分かりやすく丁寧な言葉遣いでインタビューをし、話し手の答えを予想しながら話の内容を聞くことができる。
・ 相手に応じた敬語の使い方に慣れることができる。
B 単元について
インタビューというものは、そもそも様々な情報を得るための一手段として用いられるものである。子どもたちは、日頃から各種メディアでその光景を目にする機会も多く、また調べ学習等の聞き取りという形での経験が少なからずある。
本単元で適切なインタビューの仕方を学ぶことは、国語科だけでなく、様々な学習活動を行う上での大切な学び方の一つを身に付けることになる。また、相手や場にふさわしい言葉遣いができることも、インタビューをするために必要な力である。さらに、インタビューという活動を通して、多くの人々との心の触れ合いから、心の豊かさを育んでいくことにもつながっていくと考える。
C 授業の主張点
本単元の導入において、内牧小学校をはじめいくつかの小学校のホームページを見る活動を行った。立ち上げられて間もない内牧小学校のホームページはまだ内容が十分でないため、子どもたちの手で情報を集め、内容をもっと充実させていこうという目的が生じてきた。そこで6年生や先生、地域の人などへのインタビューをとおして情報を集めることにした。子どもたちがインタビューの有用性を知り、学習を進める一つの手段としてインタビューの仕方を身に付けることをねらいとした。
インタビューメモをもとに内容を整理させていくことにより、よりよいインタビューができるように練習や工夫を重ねさせるようにした。
また本単元では、特に相手意識と目的意識を明確にして学習を進めることにした。
D 授業の実際(4/5時間)
授業の実践6
E 仮説の検証
単元の学習の導入で、内牧小学校のホームページを見るという活動を全員で行ったことにより、自分達でもっと内牧小学校のことを多くの人に紹介したいという高い意欲を持って、学習に取り組むことができたように思う。また、インタビューの4つのポイントを指導過程の中に位置づけることにより、よりよいインタビューの基礎を学ばせることができたように思う。インタビューの練習にあたっても、言語意識を教師も子どもたちも様々な場面で明確にしたことにより、インタビューの練習もより本番を想定したものとなった。今後インタビューの仕方の4つのポイントを機会を捉えて指導し、練習を重ねていく中で確実に定着させていくことができればと考える。
 
5、授業研究部の取組
授業研究部では、授業研究を中心に取組を行った。その取組については以下の通りである。
授業研究部の取組
 
国語年間指導計画(5年 「話すこと・聞くこと」)
単 元 名・教 材 名
主 な 学 習 事 項

続けてみよう ○クラスの友だちに、新聞から記事を選んで、ニュース を自分の意見や感想を加えて知らせる。
インタビュー名人になろう ◎目的や内容を明確にして丁寧な言葉遣いでインタビュ ーをし、話し手の答えを予想しながら話の内容を聞く。
読書の世界を広げよう
本は友達
◎グループの友だちに、自分が選んだ本の内容を紹介する。
10 伝え合って考えよう
人と「もの」のつき合い方
○調べた内容や感想が、クラスの友だちに分かりやすく 伝わるように、組み立てを工夫して話す。
◎発表者の考えと自分の考えとを照らし合わせながら聞 く。
12 目的に応じた伝え方を考えよう
工夫して発信しよう
○話の組み立てを工夫しながら、適切な言葉遣いで話す。
「失敗」をめぐって ◎話し合いの目的や順序を確かめながら、話題に沿って話し合う。
言葉っておもしろいな
どんなとき、だれに
○目的や場に応じて言葉遣いがどのように変わるかを考 えながら話す。
○いっしょに経験した活動を通して感じたり考えたりし たことを話し合って考えを深める。
学習したことを生かして
太造じいさんとガン
○自分が考えたことや意図したことが分かるように話の 組み立てを工夫しながら、目的や場に応じた適切な言葉 遣いで話す。
 
(2) 「話すこと・聞くこと」指導事項の国語科年間計画への位置付け
児童に伝え合う力を育てるためには、まず「話すこと・聞くこと」の領域おける基礎・基本を確実に定着させていくことが大切であると考える。そこで、「話すこと・聞くこと」の領域における基礎・基本と、基礎的・基本的事項を洗い出すことにした。そして、国語科の年間計画の中に指導事項として位置づけ、各単元で確実に定着を図ることをねらった。また、そこで培った力を、国語科のすべての単元において、生かしていくという視点を持ち、研究を深めていくことにした。さらには、学んだことを他教科や日常生活の中で生かしていくことも視野に入れ、より計画的に実践していきたいと考える。
 
(3) 「話すこと・聞くこと」領域における系統表の作成
「話すこと・聞くこと」の具体的な指導事項について、全学年を通した系統表を作成した。特に、本校の研究課題「伝え合う力」については、伝え合う方法ごとの系統表も作成した。これらを活用していくことによって、本単元で身につけさせたい力が前段階からどの程度レベルアップさせるものかを把握し、指導過程を工夫することができる。また、次の段階にどのようにつながっていくか、見通しを持って指導に当たることができると考える。
 
「伝え合う力」の系統表
 
第1学年及び第2学年
第3学年及び第4学年
第5学年及び第6学年
発表
経験したことや調べたことを、順序よく発表することができる。
伝えたいことや自分の考えを、筋道を立てて分かりやすく発表することができる。
考えたことや自分の意図が分かるように、話の組み立てを工夫しながら話すことができる。
スピーチ
身近な話題について、2〜3文程度のスピーチをすることができる。
原稿等をもとにして、自分の考えが分かるように筋道を立ててスピーチをすることができる。
自分の考えや意図がよく分かるように、メモなどを活用しながらスピーチすることができる。
紹介
知らせたいことを選んで、楽しく紹介することができる。
伝えたいことを選び、分かりやすく紹介することができる。
目的や意図を明確にして、具体的な事実を挙げ、的確に紹介することができる。
報告・説明
身近な出来事や調べた事柄について順序よく報告、説明することができる。
大事なことを落とさず自分の感想や意見をまとめ、組み立てを工夫して話すことができる。
調べたりまとめたりしたことを、資料や例示を効果的に活用しながら話すことができる。
インタビュー
尋ねたいことを考えて、順序よくインタビューすることができる。
相手や目的をはっきりさせてインタビューすることができる。
目的や内容に沿って尋ねることを整理し、相手に分かりやすくインタビューすることができる。
話し合い
話し合いの形式やルールを意識し、身近な事柄について、話題に沿って話し合うことができる。
互いの考えの相違点や共通点を考えながら、積極的に話し合うことができる。
自分の考えを持ち、論理的に意見を述べたり聞いたりしながら、計画的に話し合うことができる。
対話・対談
相手の話をしっかり聞き、自分からも伝えることができる。
話の中心に気を付けて聞き自分の感想をまとめ、伝え合うことができる。
対話や対談により自分の考えを高めたり、相手の考えとの協調を図ったりすることができる。
討論・座談・ディベート
知りたいことや分かり合いたいことについて、話題に沿って話すことができる。
自分の考えをはっきりさせると共に、相手を正しく理解するようにして、相違点や共通点を考えることができる。
自分の立場や意図を明確にし、自分の考えやその根拠をはっきりさせて、計画的に話し合うことができる。
 


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