(1)仮説について |
本研究は、次の3つの仮説をもとに研究に取り組んでいる。 |
【仮説1】 |
「話すこと・聞くこと」の領域における基礎的・基本的事項を確実に身に付けさせる手立てを工夫すれば、子どもたちに確かな言語能力が育まれ、伝え合う力が高まるのではないか。 |
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自分の思いを分かりやすく伝えるためには、事柄の順序を整理すること、話の中心に気をつけることなど、様々な工夫が必要となってくる。そのためには、各学年の学習の系統や実態に応じて「話すこと・聞くこと」の領域における基礎・基本を国語の授業を中心に、児童一人ひとりに確実に身につけさせていくことが大切であると考える。そこで、学習における指導の手立てを工夫することで、基礎・基本の確実な定着を図り、伝え合う力を高めていきたいと考える。 |
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【仮説2】 |
言語活動において五つの言語意識を明確にすれば、子どもたちは互いの立場や考えを尊重しながら、適切に表現したり正確に理解したりする力が育成されるのではないか。 |
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言語活動全般を通して、指導者が五つの言語意識を学習の中に確実に位置づけ、子どもたちがその言語意識を明確にすることで、よりよい言語活動が展開されるはずである。例えば、相手に分かりやすく伝えよう、相手に応じた言葉遣いをしようなどといった相手意識が、言語活動へよりよい作用をもたらすものと思われる。国語科の指導要領解説には、目的意識や相手意識等の言語意識について記述してあるが、本研究においては、以下に示す五つの言語意識を参考とし、実践的研究を行っていく。 |
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【仮説3】 |
体験活動との関連を図るなど単元の学習過程を工夫すれば、子どもたちは主体的に表現活動に取組み、いきいきと伝え合おうとするのではないか。 |
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子どもたちが何か話したい、伝えたいと思う気持ちが、子どもたち自身に強くあるならば、子どもたちの主体的な活動がそこから展開されていくはずである。体験活動等を学習と関連づけることにより、単元を通していきいきとした言語活動のもとに豊かな言語感覚を養うことができるであろうと考える。 |