様々な社会的現状や児童の実態等から、今子どもたちに求められているものは、豊かな心をもち、自ら学び、自ら考えることのできる生きる力である。しかし、現代社会における子どもたちの実情としては、道徳心の欠如、価値体系の多様化(崩壊)など多くの課題が浮き彫りになっている。子どもたち一人ひとりが、自分の生き方を見いだしていくための力を学校教育において培っていくことが必要であると強く感じる。そのためにも、社会的規範の確立、生命尊重や思いやりの心の育成など、子どもたちに道徳的価値を確立し、生きる力を育んでいくことが大切である。
そこで本研究では、そういった力を学校教育で育んでいく一つの手段として、国語科における表現活動を中心に置き、その中で自ら考え自ら学ぶ子どもの育成に努めていくことにする。また、ここで培った力を他教科や他の教育活動へと広げていくこともねらっている。
「自分の思い」とは、内発的な動機に支えられたもので、子どもが相手へ伝えたい思い、意見などであり、「いきいきと」とは、自分を表現することや相手の話を聞くことに対し喜び、楽しさを感じる姿であると考える。また、「伝え合う」とは、伝えたことに対し話し手と聞き手の双方に共通認識が生まれ、そこから新たな活動が展開されるものとして考える。 |