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平成18年冬号 老人性乾皮症のはなし

老人性乾皮症とは?

加齢に伴い皮膚の水分が減少し、乾燥してかさついた状態が老人性乾皮症です。特に空気の乾燥する秋から冬にかけて現れ、自覚症状としては痒みを伴うことが特長です。

乾皮症はなぜ起きる?

皮膚の水分は皮脂、細胞間脂質(セラミドなど)、尿素などの天然保湿因子で保たれていますが(右図)、加齢により保湿能力が低下してきます。 さらに、暖房などによる湿度の低下やお風呂での洗いすぎなどが加わると皮膚の乾燥が一層ひどくなります。

症状は?

腰まわりや太もも、すねによくみられます。痒みがあり、カサカサして粉を吹いたような症状になります。掻くとますます痒みがまして、掻き壊すと炎症性の湿疹(乾燥性湿疹や貨幣状湿疹)に進行します。

日常生活での注意

皮膚を乾燥から守るためには、洗いすぎなどで皮脂を取りすぎないことや住まいの湿度を適度に保つこと、また入浴後には保湿薬を使ってスキンケアをすることなどが大切です。具体的には次のことに気をつけましょう。
1. 入浴時の石鹸の使い過ぎやゴシゴシ洗いを避ける
2. 過剰な暖房を避け、加湿器などを利用し適度な加湿を図る
3. 肌着は木綿が最適です

~治療に使われるくすり~

皮膚の水分保持の目的で使われる薬

白色ワセリン軟膏
べたつき感はあるが、刺激性は少なく、皮脂のように皮膜を作って水分の蒸散を防ぎます。
尿素軟膏
尿素は水分保持作用と角質の溶解作用を併せもち、角質層水分量が増加します。
ヘパリノイド製剤
高い水分保持作用と血行促進作用を併せもちます。

炎症性の湿疹に進行した場合に使われる薬

腎皮質ステロイド外用剤
炎症を抑える作用が強く、炎症が鎮まるまで短期間だけ使われます。
抗ヒスタミン剤
痒みをやわらげます。眠気の副作用があるため、痒くて眠れない場合に使われることがあります。
抗アレルギー剤
抗ヒスタミン剤に比べてやや眠気が少なく、痒みをやわらげたり、予防する効果があります。

※ご不明な点や質問がございましたら、いつでもご相談下さい。

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